離婚のトラブル法律ガイド



子供が壊した商品の賠償責任について

親は子供のしたことだからと弁償してくれないのですが…

商品を壊す行為というのは、民法第709条の不法行為に該当します。これは加害者に賠償責任があるのですが、子供の場合にはどうなるのでしょうか?

民法第712条には、「責任能力」といって、未成年者が加害行為をしても、自分の行為について法律上の責任を理解するだけの知能がないときは、その者は賠償責任を負わないという規定があります。

この「責任能力」とは、道徳的に良いか悪いかのみならず、法律的に非難されるかどうかまで認識するという、やや高度の判断能力のことをいいます。

ただし、この責任能力が何歳からあるのかについては、それぞれのケースによって異なり、明確な基準はありません。

ちなみに、これまでの判例ですと、8歳の子供の責任能力を認めたものがある半面、14歳の少年の責任能力を否定したものもあります。

なお、12〜13歳に達した者には責任を負わせるケースが多いです。

子供が幼稚園児の場合はどうなりますか?

商品を壊したのが幼稚園児でしたら、責任能力はないとみなされると思われますので、子供に対して損害賠償は請求できません。

しかしながら、民法第714条には「責任能力者の監督責任」という規定があり、親はその子供を監督する必要があります。

つまり、親は子供を監督する義務を怠ったのですから、親に対しては損害賠償を請求できることになり、「子供のしたことだから」という言い逃れは通用しないということになります。


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