占有権はモノを持つ人であれば誰にでもあるものなのですか?
民法180条では、次のように規定されています。
⇒ 「占有権は、自己のためにする意思をもって、物を所持することで、取得する」
これは、たとえその物が他人のものであっても、また自分で購入したものでなくても、それを持つことによって占有権があるということです。
なので、仮に相手が泥棒であっても、正当化する権利のないことが明らかになるまでは、とりあえず物を持つ権利は認められることになります。
もし占有権がなかったらどうなるのですか?
泥棒が権利者として認められるなどというのは納得できないと思われるかもしれませんが、もしこの権利がなかった場合にはどうなるのでしょうか?
例えば、Aさんが持っているバッグについて、見知らぬ人から「それは私のバッグだ、泥棒、返して!」と言われたとします。
そのバッグは、本当にAさんが店から購入したものであっても、その場で証明できなければ、「返して!」という請求を拒むことができなくなってしまいます。
このような場合に、占有権があれば、Aさんはその場ではバッグを渡さずに済みます。
つまり、占有権というのは、その人が正当な権利者であるという証明などを気にせずに、安心して物を持っていられるようにするための権利であるといえます。
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