売買契約が成立するのはいつの時点ですか?
例えば、Aさんが後輩のBさんに「俺の車を50万円で買わないか?」と持ちかけたところ、Bさんは「買います」と即答したようなケースです。
このようなケースでは、これだけで売買契約は成立したといえるのでしょうか?
これについては、Aさんが「売りたい」と申し出たのに対して、Bさんが「買う」と意思表示、つまり承諾した時点で、売買契約は成立します。
売買契約というのは、特別な形式があるわけではなく、売り手と買い手の意思の合致があれば自由に行っていいものだからです。
車のセールスマンが客に車を売るときは、どの時点で契約が成立するのですか?
例えば、「新車が欲しいんだよなぁ」と言っている客のもとにセールスマンが足繁く通い、パンフレットを渡し、車の下取り額の概算まで出してあげたとします。
そして、さらに客が「契約の申込をしようかな」と言うので、新車購入の際の見積もり額も出したとします。
このような場合、この時点で売買契約は成立したと思うかもしれませんが、実はそうではありません。
というのは、上記の場合、客ははっきりと「買う」と意思表示していませんので、その後に「やっぱり契約はしない」と言ってきても、セールスマンは文句を言えないからです。
民法521条では、次のように規定されています。
⇒ 「承諾の期間を定めて為したる契約の申込はこれを取消すことを得ず。申込者が前項の期間内に承諾の通知を受けないときは申込は失効する」
つまり、承諾期間を定めての契約の申込は、承諾期間中は申込を撤回できないということです。
なので、上記のようなケースでは、見積り額と一緒に日付の入った完璧な契約書を持参し、「ご購入されますね」と客に確認して、「はい、購入します」という返事をもらわなくてはなりません。
|